スケッチシリーズ「ルターゆかりの地をたずねて」
12.ヴィッテンベルク
ルターの樫の木

 

破門状を焼く 

破門状を焼くルター1520年12月10日午前9時、修道院を出たルターは数百メートルを歩いて、ヴィッテンベルクの市壁に開けられたエルスター門を通って、斜め向かいの広場に立ちました。自説を撤回しなければ破門とするという教皇教勅がザクセン領内で布告後60日の取消期限となる当日です。市壁の外の広場は屠殺場にも、ペスト患者の衣服所持品の焼却場にもなっていた場所。積み上げられた薪と教皇派の神学者たちの書物に点火されたところにルターは、この破門脅迫教勅と教会法とを投じました。ローマとの決別の決定的な意思表示のひとつとなりました。

植樹式
 その跡に一本の樫の木が生えました。以来「ルターの樫の木」と呼ばれ、教会改革の堅い思いの標識ともなりました。今生えているのは1830年、アウグスブルク信仰告白300年を記念して植えられた二代目。樹齢は180年以上となります。
 この木の実を拾って帰国した人が庭に播いた数十粒のドングリが芽を出したのは二本の幼い、小さな「樫の木」。その一本の寄贈を受けて、ルター研究所25周年の今年、ルーテル学院の庭にも「ルターの樫の木」が植樹されました。(T)

 

 

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